HAPPY DAYS
オレは瀧澤が、取り乱すこともなく君代を受け入れた寛容を、半ば驚いて、半ば感動していたから、

君代が瀧澤に対して避けるような事を口にするのも、理解は出来ても不満だった。


それでも瀧澤は君代に対して不愉快な様子を見せるどころか、
微笑みまで浮かべていた。


今夜の瀧澤は何故か一際綺麗だ。


君代の存在を知って感情を剥き出しにした時の、あの輝きを思わせる。


今みたいなキラキラした瀧澤を、抱きしめたくならない男はいないだろう。


君代が傍にいながら、瀧澤へのたかぶる気持ちは抑えられなかった。


瀧澤はそんなオレの気持ちを読めるのか、目を見据えながらゆっくりとオレの脇をすりぬけた。


ふと、胸元で震えてる君代から小さなため息が洩れた。


我にかえる。


ごめんね、そうゆうつもりじゃないんだ。


君代を選んだ気持ちに嘘はない。


そうゆう思いを込めて君代の肩を抱きしめた。




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