HAPPY DAYS
帰宅しても自宅にはオレ一人。


さすがに上がりこもうとする君代は拒否って
自分の部屋でベットに寝転んだ。


見えっ張りな自分を恥じる気持ちや
君代に会う前に決意した東大受験への高揚、
そして何故か
毅も東大を受験するだろう確信を持って、遠足前夜にも似た期待感とが
三つ巴になってオレのケツをムズムズと渦巻いた。


?…ケツ?


それはオレのケツポケでバイブってる携帯だった。


君代からのメール。


無視しようとしてまたメール。


今度は紀子からだった。


紀子への後ろめたさがオレの行動を加速させる。


「明日は塾の前に映画が見たいな」


「オッケー。7時までに終わりそうなの検索しとく」


オレと紀子は同じ塾に行っていて、行きは寄り道デート。
帰りは遅いから紀子を家まで送り届ける。


そんな事もあってオレは紀子ママに凄まじい程気に入られている。


紀子ママは紀子に良く似た美貌のオバチャンで
マダムなファッション雑誌の読者モデルとかしてるそうだ。


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