HAPPY DAYS
胃の中が空になると、思考までエンプティになるらしい。


胃よりもっと空っぽになった頭に浮かんで来たのは
毅だった。


毅。


なんであいつの顔見てると落ち着くんだろう。


たまらなく毅に会いたくなってきた。


あの頃の記憶が戻って、小さな子供の様な心細さが、
確かな存在を求めたのだろう。



…気が付くと携帯を鳴らしていた。


「山浪です」


「毅!」


「…ただ今電話に出られません」

「おいおい、ふざけんなよ」


「はいはい、なんでしょうか?」


「…毅、好きな人とかいるのかよ」


「はあ?なんだ、その唐突さは。…ああ、ボクは別に瀧澤を狙ってて見つめてた訳ではありません。安心しなさいて。」


「…へ?あ、ああそうなんだ。で…好きな人いるの?」


「いますよ、安心しなさい。」


「誰?どんな子?」


「君の知らない人で、ステキな人。もうええやん。あ〜あかん、ボク、グチャグチャや」


また大阪弁。


普段使わないのに何故?


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