HAPPY DAYS
呆然と立ち尽くして演奏を聞いていた中2の毅くんから、
私の毅くんのイメージは変わらなかった。


変わらなかったから、「女の子」呼ばわりされても、
あの小さな毅くんがね〜、と感無量に近い気持ちになりつつ、笑い出したいようだった。


毅くんが私と変わらない背になったのは中学の卒業式の時。


今でも小柄な毅くんだけど、華奢な少年から、既にがっちりとしてきて、青年になりかけの線を首の辺りに漂わせてる。


成長を見守って来た一人として、丸で親のような寂しささえ感じた。


毅くんも来年は高校を卒業して私と同じ大学生になる。


ヒロシみたいに浪人するなよ〜。


多分、毅くんは大丈夫。


お母さん思いだもの、頑張ってやり抜ける。




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