HAPPY DAYS
「なあに?」



「ギター、どうやったら弾けますか?」



「ギター弾きたいの?」



小さく頷く少年に、私の後ろから声が掛かった。



「俺が教えてやるよ」
ギターのヒロシだった。



ただでさえクリッとした丸い目を更に丸くして
男の子は頬っぺたを紅潮させた。



「いいんですか?」



ヒロシは指でオッケーサインを作り
ツリ目を片方つむって見せた。



「ボク、山浪毅といいます!近くに住んでいて○○中です」



ツヨシ君は嬉しそうに自己紹介した。



私も

「真知子よ」

というと


「ヒロシ」


「ウタっていうの、冗談みたいでしょ」


「オレはタカナリ。ちなみにみんな高校2年」


とメンバーみんなもツヨシ君に
挨拶した。



小柄なツヨシくんは
ボーカルのウタよりまだ小さくて
163㌢の私を見上げるようにして微笑んだ。




< 6 / 219 >

この作品をシェア

pagetop