HAPPY DAYS
紀子 DAYS 4
花巻くんは一日、山浪くんと過ごした。
あんなに生き生きしてる花巻くんは見たことがない。
嫉妬してる?
私が花巻くんに与えられなかったものを、仲良くなったばかりの山浪くんが易々と与えているから。
山浪くんはサラっと歌ってるのに、余りにうまい。
花巻くんがそれに聴き入って、楽しげにノートに書き入れたり、笑いながら山浪くんの肩や腕に触れるのを
どちらに嫉妬してるかわからないまま、目を反らす。
ギターを弾く山浪くんの首と肩の辺りの盛り上がった筋肉は、華奢な花巻くんにはない。青年らしさまで感じる。
山浪くんは多分、もう花巻くんとは違う経験をしたはずだ。
2年の宿泊学習でのパジャマトーク、経験者予想で真っ先に名前が挙がったのも、山浪くんだった。
「首がセクシーだよね」と誰かが言った。それに、人とは違う響きを持つ声が加わると、加速する真実。
ただし、純情可憐な花巻くんの名前が次に出たくらいだから、信憑性はないけど。
すると、ぱっと花巻くんと目が合った。
矢に射抜かれたように花巻くんから目が離せなくなる。
花巻くんの大きな瞳。女の子みたいなふっくらした朱い唇。白い額。華奢な長い首。
あの首にママが触れたかも知れないのだ。
私は視線を外すと、教室を出た。
あんなに生き生きしてる花巻くんは見たことがない。
嫉妬してる?
私が花巻くんに与えられなかったものを、仲良くなったばかりの山浪くんが易々と与えているから。
山浪くんはサラっと歌ってるのに、余りにうまい。
花巻くんがそれに聴き入って、楽しげにノートに書き入れたり、笑いながら山浪くんの肩や腕に触れるのを
どちらに嫉妬してるかわからないまま、目を反らす。
ギターを弾く山浪くんの首と肩の辺りの盛り上がった筋肉は、華奢な花巻くんにはない。青年らしさまで感じる。
山浪くんは多分、もう花巻くんとは違う経験をしたはずだ。
2年の宿泊学習でのパジャマトーク、経験者予想で真っ先に名前が挙がったのも、山浪くんだった。
「首がセクシーだよね」と誰かが言った。それに、人とは違う響きを持つ声が加わると、加速する真実。
ただし、純情可憐な花巻くんの名前が次に出たくらいだから、信憑性はないけど。
すると、ぱっと花巻くんと目が合った。
矢に射抜かれたように花巻くんから目が離せなくなる。
花巻くんの大きな瞳。女の子みたいなふっくらした朱い唇。白い額。華奢な長い首。
あの首にママが触れたかも知れないのだ。
私は視線を外すと、教室を出た。