HAPPY DAYS
あんまりビショビショだったから、
オレらは駅前のカジュアルショップで服を買った。



スキニージーンズにパーカー。


「なんかペアルックみたいだよね」


とはしゃぐ君代。


店を出て、手にはグショ濡れの服がかなりずっしりとくる。


その重たくなった荷物が、まんま紀子との問題の重さだった。




「純くん!電車来たよ〜」



喜んで声を掛ける君代について電車に乗った。



「マジだるい。マジ疲れたし」


というといきなり君代は車内の床に座り込んだので、その腕を引き上げる。


「みっともねえ事してんなよ。地べたなんかに座んな」


君代の顔がみるみる落ちていく。


しょんぼりした様子の君代を見ていると、何だか可哀想に思える。


「強く言い過ぎた?」


「君代が悪いんだし。純くんが怒るの仕方ないじゃん」


既に目に涙がたまっている。
今日は何度も泣かしたんだから、もう君代を泣かせたくない。多分オレの来ない時間だって泣いていたはずだから。

「君代さ、純くんに似合うようないい女になる。だから待ってて」






…君代の顔をまともに見れないくらい、愛しかった。










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