HAPPY DAYS
さすがにここは、純に事の顛末を聞かなくてはいけないだろうと
落ち込む純に

「瀧澤となんかあった?」

ときいた。


純は首を横にふろうとしつつ、最後は諦めたように縦に振った。


「昨日…オレ…瀧澤突き飛ばして、逃げた」


「…しょっちゅう瀧澤に暴力してるの?」


「してねえよ、昨日だって本当は振り払った感じ」


「それで気まずいのか」


「と言うより、オレ達別れたに近い」


瀧澤の必死さはそこだったんだ。自分の部活を捨てて、純との復縁に賭けた。

なりふり構わずな瀧澤の思いを少し羨ましく感じる、
ひねくれ者のボクの恋。

片思いの努力より
多分報われるのが難しい、復活愛の努力。
瀧澤は、純を取り戻す為に自分の高校生活の思い出の集大成を捨てる覚悟なのだ。


それが正しいかどうかはまた違う次元の話だが、
そう走り出した瀧澤の勇気には見習うところもあるはずだ。



ボクの恋はこのままでいいのか?



真知子さんが社会人になったら、
高校だ大学だなんてものではなく、学生と言う大きな括りから外れてしまう。

まさに別世界に行ってしまうのだ。




真知子さんを失う?











ボクは、自分の思いと、きちんと向き合えてきたろうか。










例え、その資格には足らなくても。












せめて愛してると伝えるべきではなかろうか。












アイシテル











簡単にはいかないよ、とちょっと笑えた。
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