HAPPY DAYS
紀子 DAYS 5
電話を切るとクッキー作りに戻った。
今日花巻くんが私を見詰める目付きったらなかった。
昨日あんな女と私を残して逃げ出した癖に
図々しいにもほどがある。
私にだってプライドがあるんだから。
でも…抱きしめられた時、私の中で何かが弾けたようだった。
目を閉じた花巻くんの瞼が美しくて、あのままあの場で、愛し合いたい衝動に尽き動かされた。
自制心のない女だったら、誰でも、何の躊躇もなく花巻くんの唇を得たろう。
でも、私は花巻くんの唇だけではなく、全てが欲しい。
身も…心も!
花巻くんが、私に心陶して、二度と私から離れないようにしなければ、何の意味もない。
それには戦って奪うしかない。
彼自身を見失わせるほど。
あの女が現れて私は変わった。
後々考えると、自分を見失っていたのは私の方だった。
それくらい焦っていたのだ、
…恋に。
今日花巻くんが私を見詰める目付きったらなかった。
昨日あんな女と私を残して逃げ出した癖に
図々しいにもほどがある。
私にだってプライドがあるんだから。
でも…抱きしめられた時、私の中で何かが弾けたようだった。
目を閉じた花巻くんの瞼が美しくて、あのままあの場で、愛し合いたい衝動に尽き動かされた。
自制心のない女だったら、誰でも、何の躊躇もなく花巻くんの唇を得たろう。
でも、私は花巻くんの唇だけではなく、全てが欲しい。
身も…心も!
花巻くんが、私に心陶して、二度と私から離れないようにしなければ、何の意味もない。
それには戦って奪うしかない。
彼自身を見失わせるほど。
あの女が現れて私は変わった。
後々考えると、自分を見失っていたのは私の方だった。
それくらい焦っていたのだ、
…恋に。