超能力者が高校生!?
なぜか俺が審判になってしまった。理由はわからない。その場にいるだけなら、藤沢でも良かったんじゃないか?
「私も見るのは初めて」
と返事を出してきた。素性がわからない上に心まで読まれていると、なんだか気分が悪いな。こいつならなお更だ。ほとんど無表情で、白鷺に対しては別の人格だし。
「気をつける」
とか言ってるそばから気をつけてねえじゃねえか。日本語を正しく使い分けろ。
「ん?何だそれ?」
藤沢をちらっと見ると、両手で植木を抱えていた。
「今日の授業に作って、今日持って帰る」
「そ、そうか・・・」
今日作って今日持って帰る?作るというより、土に気を植えただけじゃねえか。
「ねえ!試合はいつ始まるの?」
白鷺が審判に対して抗議をし始めた。
「え?もう初めてもいいのか?」
「当たり前よ!早くしなさいよ!」
「はいはい・・・」
白鷺にせかされ、その後、試合のルールの詳細を教えてもらった。
試合方法は一本勝負の無制限。どっちかが降参を唱えれば試合終了となるが、どうにもこいつらは負けても言わなさそうだ。目がマジになってやがる。土田に至っては、頭の上の雷がもう爆発しそうな勢い。白鷺の周りでは、近づくなのサインみたいなのが見えてくる。
「なあ、審判って何をすればいいんだ?」
すでに配置についている白鷺に聞いた。
「簡単に試合を見ればいいのよ。降参の声もちゃんと聞くように」
「わかったよ」 
簡単な返事を出して、さっさと試合を始めさせた。
「そ・・・それじゃあ両者とも、準備はいいか?」
「もちろんよ!」
「いつでも!」
・・・やっぱりやめたほうがいいんじゃないか?さっきの一声で、どれだけ本気なのかがわかってくる。もしかしたら死ぬぞ。
「そ、それじゃあ、始め!」
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