超能力者が高校生!?

万引き

「いい加減に仲直りしたらどうだ?」
「何でよ?」
「いや、一応お前同好会の会長だし」
「一応って何よ」
「なんとなく」
今俺と白鷺は、さきほどいた倉庫から遠く離れたコンビニで休憩していた。白鷺は飲み物が欲しいとコンビニに入り、そのジュースを俺に渡して、そのまま1人でトイレに行き、俺はレジ行きの行列に並んでいた。しかし、白鷺はいつまで経っても戻って来ず、また並ぶのはだるいということで、結局は俺が払った。コンビニの外に出ると、白鷺が俺を待っていた。「どこにいたんだ?」と問い詰めると、「トイレに行くと言ったけどコンビニのトイレに行くとは言ってない」と言い、見事に騙された感を味わいながら、土田との仲直りを促しているところだった。
「そもそも、けんかの原因って何だ?それさえわかれば、力も貸すぞ?」
「嫌よ、言いたくない。だいたい何であんたが首を突っ込むのよ?」
「なんとなく」

白鷺は、結果的に俺がおごることとなったジュースをグビグビと飲んでいた。
「なあ、俺たちがこうしている間にも超能力者たちって殺されてるんだよな?」
「急に何よ?・・・まあ、そうなんじゃない?」
「もしさ、目の前で超能力者が殺されかけてて、自分の前に超能力者を殺そうとする普通の人間がいれば、お前ならどうする?」
「どうするって・・・。そりゃ、助けるわ」
「ふーん」
実際こんな会話をしているのは普通ではないが、俺たちにとっては死活問題だ。さっき見た能力でも、人を殺すのは難しくはない。俺の能力でも・・・。
でもそんなことをすれば、超能力者を殺している連中とは何ら変わりはなくなってしまう。どうすればいいのだろう・・・。
「なあ白鷺」
「ん?何?」
「どうにか俺たちの力で、超能力者たちへの迫害とか差別とか、止められないのか?」
白鷺はジュースを飲むのをやめてから答えた。
「けっして簡単ではないわね。能力を使えば相手を黙らせることもできる。でもそんなことをすれば、私たちはただじゃ済まないわよ?」
「わかってるけどさ・・・」
何もできないないのか、俺たちは・・・。
「おい!誰か止めてくれ!」
「ん?」
店員が突然叫びだした。何やら良い雰囲気ではないようだ。
「どうしたの?」
「万引きです!捕まえてください!」

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