[短]Chocolate~From Bitter~

わかっていたのに、どうして私の胸は、心臓は…こんなにも痛みを増すのだろう。

彼の言葉は、まるで矢のように私の心に突き刺さったまま、なかなか抜けることはなかった。


「…そっ、か…。
そうだよね、当たり前だよね…」


自分で自分がよくわからない。

握りしめた拳の内側に潜む、季節外れな汗。

日に日に寒さを増していく風が、私の体を凍らせる。

顔に浮かべた苦笑い。

今、私は、彼の目にどんな風に映っているのだろう。


「ごちそうさま」


その言葉と同時に、空になった箱を突き返される。

…受け取りたくない。

受け取ってしまったら、私たちの時間が終わる。

また、1ヶ月会えなくなってしまう。

わがままだとはわかっていたけれど、1秒でも長く、彼の隣にいたかった。

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