夜空の下で
*プロローグ
『もし死んだ人が皆星になったら
この夜空一面が星でいっぱいになるね』
昔誰かが言ってた。
だとしたら、
『月が一人になっちゃう』
私は子供ながらにその言葉にこたえた。
星の方が目立てば、
月の存在は薄くなる。
そしたら月が可哀想だと必死に訴えた。
その日から
私は毎日月を見た。
誰かが月を忘れても
私だけは忘れないように。
『こんなにも君を見てるのに、
私と君の距離は遠いね』
いつもいつも、
月だけを見た…───。