夜空の下で



でもそんなところも好きなんだ。



彼は私だけの月だから。



月夜と結ばれたあの日から、



私は月を見るのをやめた。



だってもう必要ないから。



私は、忘れないから。



「陽菜今日秋澤と喋ったろ?」



秋澤君は私のクラスメートで今日は咲稀ちゃんと話してる時一緒にいたな。



「話してたけど?」



私が言う不機嫌そうに頬を膨らませた。



これは月夜の癖。



嫌なことや不満があるとすぐ頬を膨らます。



「なんかむかつく」



むかつく?



なんで?



「陽菜は俺だけ見てればいいんだよ」



抱きしめて、キスをする。



荒く激しく深く。



このキスが、実は好きだ。



このキスは、月夜が嫉妬してる時にするキス。



わかりやすい、やきもち焼きな私の彼氏。



でも私だって、月夜に負けないくらいいつも嫉妬してる。



「月夜だって今日久実ちゃんと話してたじゃん」



私が言うと月夜は笑った。



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