夜空の下で
けど月夜は違う。
女子とあまり話さない月夜が私といるのは私が幼なじみだから。
幼なじみだからそばにいれる。
彼にとって私はただの幼なじみ。
私は太陽のように月を必死に追いかけてる。
決して二人が重なることはない。
「ただいまー」
靴を脱ぐともう一つ誰かの靴を見つけた。
月夜来てるんだ。
足早に自分の部屋に行くと案の定、月夜が私のベッドで寝ていた。
「月夜、帰ったよ?」
一応呼んでみたが聞こえるのは寝息だけ。
可愛いな…。
そっと彼の頬に手を添える。
起きてたら絶対にできないけど寝てるし平気だよね。
私は彼の体を抱きながら隣に寝た。
どうか、起きませんように。
そう願いを込めて…。
「陽菜、起きて」
つき、や?
「起きないと、キスするよ?」
月夜の声…。
「もう知らねぇから」
何がと口を開こうとしたら唇に生暖かさを感じた。
え…キス?