夜空の下で



私の知ってる月夜は子供っぽくて甘えん坊で弟みたいな感じのはず。



でも目の前にいるのは弟の欠片もない“男の子”。



「呼んでも起きない陽菜が悪い」



ドキドキして顔を赤くする私。



でも月夜はさも当たり前な余裕の表情。



「本当に、月夜?」



そこにいつもの天使のような笑顔はない。



「本当だよ?


今から“俺”を陽菜に刻みこんで上げる」



口元を上げてニヤリと笑う月夜はなんかいやらしい。



「き、ざむ?」



私が首を傾げると月夜は答えず私の唇に自分の唇を当てた。



さっきみたいに曖昧じゃなくはっきり伝わる。



息苦しくて月夜の胸を叩くがその腕を掴まれる。



倒れそうな私の頭をもう一つの手で支える。



熱い、熱いキス。



私の舌が彼の舌に触れる度に、



どんどん力が抜けていく。



彼のキスを受け入れてしまうのは



私が彼を好きだから。



ねぇ月夜、…わかってる?



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