†正しい王様の在り方†～Fake!!（ﾌｪｲｸ）外伝～

「おい、お前ら…いい加減にしろ。」

「あ？なんだテメェは！この姉ちゃんの男か？」

当然、男達は気色ばむ。

「だったら、どうするんだ？」

レオルドは、口元に不適な笑みを浮かべ男達の顔をグルリと見渡した。

「うるせぇ、痛い目にあいたくなかったら、女を置いて何処へでも行きやがれ！」

レオルドの挑発に乗り、引っ込みがつかなくなった男の声が、一段と高くなった。そんな彼らをレオルドは棘のある声で一括した。



「ばぁか！お前らの目は節穴か？そこの女…男だぜ。」

「へっ？ええええっ！」

男達が目を剥き、美少女の全身をマジマジとみつめる。


「嫌だなぁ…そんなにジロジロ見ないで下さいよ。失礼だなぁ。」

艶やかに微笑む少女の瞳に一瞬、ビリビリした緊張が走った。その眼光には、僅かな怒りが燻っていた。


「うわっ、この姉ちゃん…怒らせたらマジヤバいかも…行こうぜっ！」

チンピラ達は慌てふためき、蜘蛛の子を散らすように、散り散りになって逃げて行った。


「だから男だって言ってるだろうが！男女の区別もつかない奴らが、城下の往来でナンパなんぞするんじゃねぇ！見苦しい！」



這々の体で走り去る男達の尻に遠隔魔法で手痛い一撃を喰らわすと、レオルドは少女に視線を送りニヤリと笑った。