†正しい王様の在り方†~Fake!!(フェイク)外伝~
「なぁ、アベル、あんな胡散臭い奴の言うことを鵜呑みにして大丈夫なのか?」

「大丈夫ですよ。それに彼は私達の事を一目で見極めたのですよ。なかなかの人物だと思いませんか?」

「え…ああ…。それはそうだけど…。」

「大丈夫。何か起こった時には必ず私が貴女を守りますから。」


そんな二人のやり取りを背中に聞きながら、レオルドは上機嫌で視察時の常宿『火影亭』のドアを開けた。


「おんや…エンリケ様、お久しゅうございますじゃ。」

「よう、バトー。これから暫く世話になる。彼らの分と合わせて部屋を3つ頼む。」

「はいな♪ほんじゃあ…何か美味い物をお出ししやしょう。」

「宜しく頼む。」



レオルドは帳場で主のバトーと手短に言葉を交わすと、フェイ達を促し、食堂のテーブルについた。


「そういやぁ、自己紹介がまだだったな。俺は、エンリケ・ロッソ。」

「僕はアベル・ルーモア。」

「私は…フェイ…カーディア。」

「へぇ…お前、フェイって言うのか。いい名だ。」

相変わらず警戒心を張り巡らしているフェイを見つめ、レオルドは片目を瞑った。
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