†正しい王様の在り方†~Fake!!(フェイク)外伝~
「僕達、許嫁同士ですから…将来は勿論結婚するつもりです。」

「ちっ…ちょっと!アベル!」


レオルドの問いに真顔で答えるとアベルに相反して、フェイは赤くなったり青くなったり…そんな彼女のクルクルと変わる表情を、レオルドは楽しげに見つめていた。



「要するに、アンタらは様々な仕事を請け負いながら旅を続けていて…今は文無し。すぐにでもまとまった金が欲しいと…。そういう事だな?」

「エンリケ、何かいい仕事の宛でもあるのか?」

「ああ。確か…アンタらにピッタリな仕事の書類を見たような気がする。やってみるか?」


レオルドの言葉に、フェイの顔がパッと輝き、彼女はアベルと視線を絡ませニッと微笑んだ。

「その様子だと、やる気満々ってとこだな。…となりゃ、その書類を探す必要があるな。すまんが小一時間程外させて貰うがいいか?」

「はい。僕達はここでゆっくりしています。」

アベルはフェイと顔を見合わせ、頷き答えた。

「それじゃあ、又後でな。」

レオルドはそう一声残し、パチンと指を鳴らすと姿を消した。
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