†正しい王様の在り方†~Fake!!(フェイク)外伝~
【prologue】
~プロローグ 別れ~
「レオルド、邪魔するぞ。」
三日三晩続いた嵐がおさまり、久々に暖かな日差しが射す昼下がり、旧友のロニィ(ロナルド)・シーブリースと恋人のエドガー(エディス)・スカイヤードが王宮の執務室に俺を訪ねて来た。
「ん…。ああ、そうか…出発は今日だったか。」
エドガーを伴い、戸口に立ったロニィは静かに頷いた。
「オーランドから帰ったら、直ぐにでもハニームーンに行こうと思ってたのに…意地悪なお天気に邪魔されてたからね。やっと出発できるよ。」
エドガーが弾んだ声で答えると、嬉しそうにその場で爪先立ちのまま、クルリと回った。
別れは…大嫌いだ。
いつまでも、嵐がおさまらなければよいのに…。
この三日間何度…密かに願っただろう。
「はいはい、ソイツはお熱いこって…こっちは例の件の後始末やら、大臣連中の説得やらで毎晩徹夜だったっつうのに…。」
眼鏡を外し、机の上に置き、俺は恨めしげに二人を睨むと、肩を竦めた。
皮肉を込めた一言に、ロニィは少し顔を赤らめ、苦虫を噛み潰したような顔をしてプイと横を向いた。
「…暫くは…ベリエルには戻らない。」
ロニィが俺に向き直り、真顔になって言った。
「お前のことだ…そう言うと思ってたよ。」
「俺は…エディスを苦しみから早く解放したい。呪いが解ける日がいつになるのか…予想もつかないけどな。」
「すまんな…。あれからヒルデの残留思念を辿っても解呪の呪文には結びつかなかった。」
「大いなる奇跡なんてそんなもんだろ…俺はソイツのお陰で今を生きてるんだから。」
そう言うと、ロニィはエドガーに穏やかな眼差しを落とした。
「レオルド、邪魔するぞ。」
三日三晩続いた嵐がおさまり、久々に暖かな日差しが射す昼下がり、旧友のロニィ(ロナルド)・シーブリースと恋人のエドガー(エディス)・スカイヤードが王宮の執務室に俺を訪ねて来た。
「ん…。ああ、そうか…出発は今日だったか。」
エドガーを伴い、戸口に立ったロニィは静かに頷いた。
「オーランドから帰ったら、直ぐにでもハニームーンに行こうと思ってたのに…意地悪なお天気に邪魔されてたからね。やっと出発できるよ。」
エドガーが弾んだ声で答えると、嬉しそうにその場で爪先立ちのまま、クルリと回った。
別れは…大嫌いだ。
いつまでも、嵐がおさまらなければよいのに…。
この三日間何度…密かに願っただろう。
「はいはい、ソイツはお熱いこって…こっちは例の件の後始末やら、大臣連中の説得やらで毎晩徹夜だったっつうのに…。」
眼鏡を外し、机の上に置き、俺は恨めしげに二人を睨むと、肩を竦めた。
皮肉を込めた一言に、ロニィは少し顔を赤らめ、苦虫を噛み潰したような顔をしてプイと横を向いた。
「…暫くは…ベリエルには戻らない。」
ロニィが俺に向き直り、真顔になって言った。
「お前のことだ…そう言うと思ってたよ。」
「俺は…エディスを苦しみから早く解放したい。呪いが解ける日がいつになるのか…予想もつかないけどな。」
「すまんな…。あれからヒルデの残留思念を辿っても解呪の呪文には結びつかなかった。」
「大いなる奇跡なんてそんなもんだろ…俺はソイツのお陰で今を生きてるんだから。」
そう言うと、ロニィはエドガーに穏やかな眼差しを落とした。