†正しい王様の在り方†~Fake!!(フェイク)外伝~
バチッバチバチバチッ
キマイラの全身から、不気味な放電が始まり足元の氷柱が宙に舞い上がる。
大地は波打つように揺れ始め、三人はヨロヨロとよろめきその場でバランスを取る。
ピシッ…ピシピシッ
足元に亀裂が走り、地面に大きな裂け目がパックリと口を開けた。
「なっ…何だ!」
「フェイ!大丈夫ですか!」
フェイとアベルの間に出来た亀裂が二人を引き離し、尚も足元は音を立てて崩れていく。
ドォォォン
キマイラの身体から一気に光の束が放たれた。光の束は稲妻となり、フェイとレオルドのいる不安定な足場を直撃した。
「うわぁぁぁぁっ!」
地面が崩れ、二人は暗い空洞に落下してゆく。
そして、光を放ったキマイラも崩壊に飲まれ…闇に消えた。
「フェェーーーイ!エンリケーーー!」
アベルの叫び声がベリエル杉の森に木霊した。