†正しい王様の在り方†~Fake!!(フェイク)外伝~
【冗談じゃない!】
「うわぁぁぁっ」
フェイは暗闇を真っ逆様に落下しながら、夢中で腕を伸ばした。
(くっ・・・何か・・・何か捕まる物はないのか!)
「大丈夫だ!」
延ばした手首を誰かがガッチリと掴み、彼女はその声の主に抱き留められた。
「エンリケ!」
耳元で風を切るヒュゥヒュゥという音を聞きながら、フェイはきつく瞼を閉じた。
そんな彼女をギュッと胸に抱き、レオルドは歯を食いしばった。
(畜生!とりあえず保護魔法は発動したが…フェイだけは無事になんとか…。)
ドォォォン
激しい衝撃と共に、二人の身体は穴の底に投げ出された。
「つっ…痛たぁぁ…。」
フェイは、閉じていた目を瞬たかせ周りを見渡す。
「わっ、エンリケ!大丈夫か!」
フェイはやっと自分が置かれている状況に気が付き慌てた。
彼女はレオルドの胸に抱かれたまま身動きが出来ず、ジタバタと手足を動かした。
「う…。」
目の前の端正な顔が、僅かに歪み閉じられていた瞼がゆっくりと開いた。
「おっ、フェイ・・・怪我はないか?」
「ああ…アンタこそ。その…ありがとう。」
レオルドが腕を緩め、フェイはそこから這いだした。
その後ろ姿を見つめ、彼はニィと口元に笑みを浮かべたが、すぐに激痛に顔を顰めた。
(こいつは…左足が折れてるな…しかも…ここは厄介な所だな。周りの鉱石が魔力を吸い取ってやがる…。)
レオルドは近くの岩に腰掛け、左足の痛みを散らすように静かに息を吐いた。
「あのさ…エンリケ…。」
「あ?何?」
突然フェイに声を掛けられ、レオルドは俯いていた面を上げた。
フェイは暗闇を真っ逆様に落下しながら、夢中で腕を伸ばした。
(くっ・・・何か・・・何か捕まる物はないのか!)
「大丈夫だ!」
延ばした手首を誰かがガッチリと掴み、彼女はその声の主に抱き留められた。
「エンリケ!」
耳元で風を切るヒュゥヒュゥという音を聞きながら、フェイはきつく瞼を閉じた。
そんな彼女をギュッと胸に抱き、レオルドは歯を食いしばった。
(畜生!とりあえず保護魔法は発動したが…フェイだけは無事になんとか…。)
ドォォォン
激しい衝撃と共に、二人の身体は穴の底に投げ出された。
「つっ…痛たぁぁ…。」
フェイは、閉じていた目を瞬たかせ周りを見渡す。
「わっ、エンリケ!大丈夫か!」
フェイはやっと自分が置かれている状況に気が付き慌てた。
彼女はレオルドの胸に抱かれたまま身動きが出来ず、ジタバタと手足を動かした。
「う…。」
目の前の端正な顔が、僅かに歪み閉じられていた瞼がゆっくりと開いた。
「おっ、フェイ・・・怪我はないか?」
「ああ…アンタこそ。その…ありがとう。」
レオルドが腕を緩め、フェイはそこから這いだした。
その後ろ姿を見つめ、彼はニィと口元に笑みを浮かべたが、すぐに激痛に顔を顰めた。
(こいつは…左足が折れてるな…しかも…ここは厄介な所だな。周りの鉱石が魔力を吸い取ってやがる…。)
レオルドは近くの岩に腰掛け、左足の痛みを散らすように静かに息を吐いた。
「あのさ…エンリケ…。」
「あ?何?」
突然フェイに声を掛けられ、レオルドは俯いていた面を上げた。