†正しい王様の在り方†~Fake!!(フェイク)外伝~
バタン
「おっ、ラビィ、おはよう。」
机の上の書類から顔を上げ、戸口に立つラビィに向かいレオルドは上機嫌で声をかけた。
「レオルド様、おはようございます!今朝は随分と早いですね。」
「まあな…仕事も少し溜めちまっていたからなぁ。グクスタフ卿の処分も決定したことだし、通常の公務もやらないと…。」
「グスタフ卿の処分は三ヶ月の蟄居で良かったんですか?」
「ああ、大臣達の中にも様々な考えの奴はいる。特に、古き伝承については思いも深いだろう…仕方がないさ。グスタフとは何度も話し合った。この三ヶ月で奴も色々と考えるだろうさ。タヌキ爺ではあるが…俺にとっては大切な家臣だ。」
「そうですか…。そのようなお考えがあったのですか。」
「まぁ、なんだな。家臣の信頼を得るのは…今後の俺様の努力次第って事だな。」
そう言うと、レオルドはニヤリと笑った。
「努力次第って…なんか心配だなぁ。」
「ばぁか、この数ヶ月お前は、何を見てたんだ?俺はやる時はちゃーんとやるんだよ。」
「なっ、なんですか…その、根拠のない自信はぁ~。」
腕組みをして、胸を張るレオルドを見上げ、ラビィは小さく溜息をついた。
「俺はやるよ。この国をちゃんと治めてみせる。遠い空の下にいる友に…誓ったんだからな。」
「レオルド様…。」
「その為には、お前の協力も必要だ。これからは容赦なくこき使うからな。」
「はっ、はいっ!」
執務室に活気が満ち溢れる。レオルドの張りのある声が開け放たれた窓の外に響き、その声を耳にした庭師の作業の手が止まる。
暫しの間、心地の良い声を聞いていたが、彼は口元に穏やかな笑みを浮かべ再び手を動かし始めた。
『ここはベリエル…若く美しい賢王が治める都なり…。人はこの地を 愛の女神の住む地と呼ぶ…。』
~end~
「おっ、ラビィ、おはよう。」
机の上の書類から顔を上げ、戸口に立つラビィに向かいレオルドは上機嫌で声をかけた。
「レオルド様、おはようございます!今朝は随分と早いですね。」
「まあな…仕事も少し溜めちまっていたからなぁ。グクスタフ卿の処分も決定したことだし、通常の公務もやらないと…。」
「グスタフ卿の処分は三ヶ月の蟄居で良かったんですか?」
「ああ、大臣達の中にも様々な考えの奴はいる。特に、古き伝承については思いも深いだろう…仕方がないさ。グスタフとは何度も話し合った。この三ヶ月で奴も色々と考えるだろうさ。タヌキ爺ではあるが…俺にとっては大切な家臣だ。」
「そうですか…。そのようなお考えがあったのですか。」
「まぁ、なんだな。家臣の信頼を得るのは…今後の俺様の努力次第って事だな。」
そう言うと、レオルドはニヤリと笑った。
「努力次第って…なんか心配だなぁ。」
「ばぁか、この数ヶ月お前は、何を見てたんだ?俺はやる時はちゃーんとやるんだよ。」
「なっ、なんですか…その、根拠のない自信はぁ~。」
腕組みをして、胸を張るレオルドを見上げ、ラビィは小さく溜息をついた。
「俺はやるよ。この国をちゃんと治めてみせる。遠い空の下にいる友に…誓ったんだからな。」
「レオルド様…。」
「その為には、お前の協力も必要だ。これからは容赦なくこき使うからな。」
「はっ、はいっ!」
執務室に活気が満ち溢れる。レオルドの張りのある声が開け放たれた窓の外に響き、その声を耳にした庭師の作業の手が止まる。
暫しの間、心地の良い声を聞いていたが、彼は口元に穏やかな笑みを浮かべ再び手を動かし始めた。
『ここはベリエル…若く美しい賢王が治める都なり…。人はこの地を 愛の女神の住む地と呼ぶ…。』
~end~