†正しい王様の在り方†~Fake!!(フェイク)外伝~
「執務室にこもって鬱々とされている位なら、いっそのこと城下に視察にでも行かれたらどうです?」
「視察ぅ?」
「はい!視察はレオルド様の十八番じゃないですか。身分を隠して城下をブラブラ…。」
髪をとく手を休める事無く、ラビィは鏡に映る俺の目を覗き込みニコニコと微笑んだ。
(ラビィの奴、俺をうまい話で釣り上げようと必死だな…まぁ、視察も久しぶりだ。今回はコイツの話に乗ってやるか。)
「気分転換には丁度いいかもしれないな。よしっ、そうと決まれば…。」
俺はラビィに向かってニヤリと笑い、パチンと指を鳴らした。
変装用黒髪のカツラとこざっぱりとした衣装が現れた。
「あ、それではお召し替えを…。」
「いや、後は自分でやるからお前はもう下がっていい。執務室にはいつもの写し身を置いていく。」
「…わかりました。それじゃあ、気をつけて行ってらっしゃいませ!」
ラビィはペコリと礼をすると弾んだ足取りで寝室を出て行った。
(そこまで露骨に喜ばなくてもいいだろうに…。とにかく、街に出れば何か面白い事があるかもしれないな。)
萎えていた心がウキウキと弾みだした。
俺はそそくさと身支度を終えると、執務室に写し身を放り込み、指を鳴らした。
「移動先は、ウリエル通り中央広場…redirect!」
呪文を詠唱すると、寝室の壁がグニャリと歪み、極彩色の光が俺を包んだ。
「視察ぅ?」
「はい!視察はレオルド様の十八番じゃないですか。身分を隠して城下をブラブラ…。」
髪をとく手を休める事無く、ラビィは鏡に映る俺の目を覗き込みニコニコと微笑んだ。
(ラビィの奴、俺をうまい話で釣り上げようと必死だな…まぁ、視察も久しぶりだ。今回はコイツの話に乗ってやるか。)
「気分転換には丁度いいかもしれないな。よしっ、そうと決まれば…。」
俺はラビィに向かってニヤリと笑い、パチンと指を鳴らした。
変装用黒髪のカツラとこざっぱりとした衣装が現れた。
「あ、それではお召し替えを…。」
「いや、後は自分でやるからお前はもう下がっていい。執務室にはいつもの写し身を置いていく。」
「…わかりました。それじゃあ、気をつけて行ってらっしゃいませ!」
ラビィはペコリと礼をすると弾んだ足取りで寝室を出て行った。
(そこまで露骨に喜ばなくてもいいだろうに…。とにかく、街に出れば何か面白い事があるかもしれないな。)
萎えていた心がウキウキと弾みだした。
俺はそそくさと身支度を終えると、執務室に写し身を放り込み、指を鳴らした。
「移動先は、ウリエル通り中央広場…redirect!」
呪文を詠唱すると、寝室の壁がグニャリと歪み、極彩色の光が俺を包んだ。