最後の着信メロディ
「マキトが私にメールをよこしてから、マキトを認識出来てる人ってたぶんいなかったと思うんですよ」

はがくれのバイトも、レストランのウェイターも、ソウタロウさんも、マキトがいることには全く気づいていませんでした。

見て見ぬフリや、気のせいだと思った、などではなく、完全に何もないものとして行動していました。

でも昨日の夜、確かに私の携帯を通じてユキさんとマキトは会話をしていました。

私と同じ言葉も聞こえていました。

だから私は思ったのです。




「マキトが戻ってきたのって、私のためだけじゃないんじゃないか、って」


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