最後の着信メロディ
「あら、話聞きたかったのに。まあいいわ、どこだったの?最後の場所は」

「ライブハウスです。ただ、私は場所を覚えていないんですけど…」

そう、それは私とマキトが初めて出会った場所でした。

「なるほどオッケー。マキトが行くハコっていったらあそこしかないわ」

立ち上がり、伝票を持ちながらユキさんが親指を立てて見せる。

私は頼もしくなって、大きく頷き、散歩に行く犬のようにユキさんのあとを追いかけました。

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