最後の着信メロディ
「よし、ジュンペーさん、今日は…って日付変わっちゃったか、今夜は飲もう」

「へ?」

ユキさんはどこから取り出したのか缶ビールを2本ジュンペーさんの机に置きました。

そう言えば、コンビニに寄った時なんだか長い缶を買っていたような気がします。

「最後に弔い酒と思ったんだけど、まだ先がありそうだからこれはアタシが飲んじゃうね」

そう言って私にウインクして、ユキさんは不敵に笑いました。

「で、その間その子をステージにあがらせてやれってか……理由は」

「おいおい話すよ、今夜は長いんだよ、いつもよりずっとね」

「わかった、じゃあ片付けの連中あがらせてもっと酒とつまみ買ってこさせないとな」

そう言うとジュンペーさんは部屋を出てつかつかと歩いていきました。


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