最後の着信メロディ

「俺の墓で泣いていいから」

『だからさ、心が冷蔵庫だとするじゃん』

「う、うん?」

『思い出が冷凍食品』

「またわけのわかんないことを…」

『たまーに、食べたくなったらチンしていいけど、残った分はまた冷凍するんだよ』

「解凍したものもう一回冷凍しちゃいけないんだよ」

『例えだって例え!』

「でも、そうしたらいずれはなくなっちゃうんじゃないの?」

『多分さ、それを食べつくしたら『あの冷凍食品うまかったなー』っていう思い出が冷蔵庫に入るんだよ』

「…結局なくならないって言いたいのね」

『そそ、だから自分の部屋や、ピクニック気分で俺の墓の前で泣いてもいいからさ、そのあとは残りは仕舞って、次の機会にな。一度に食べ過ぎると太る』

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