最後の着信メロディ

消~きみのため~

「確か何度来ても『アタシは知らない、何も聞いてない』ばっかりでしたよね」

それを聞いて、ユキさんはなんだか切なそうな顔をして答える。

「うん、そう。そうだったでしょ。ただね、アレ、ウソだったの」

「え、どういう……」

「本当はね、私も気持ちに整理がついたら言うつもりだったんだけど、その前にあなたが来なくなっちゃって」

私は混乱する頭でユキさんの言葉をなんとか理解しようとします。

つまり、何も聞いていないって言うのがウソで、ホントのことを後で教えるつもりだった、っていうこと?

だとすると、マキトはユキさんに何か言って消えた、っていうこと?

「マキトがね、あなたとの連絡を絶つ1週間前くらいかな、一人で店に来てね、言ったのよ」

「な、なんてですか!?」

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