最後の着信メロディ
マキトのアドバイスが人の役に立つ度、ひょっとするとマキトは、私なんかいなくても全然問題なくやっていけるんじゃないかと思いました。
あるとき私は思いきってマキトにきいたことがあります。
「実はマキトって、ダメなフリをしてるけど、ひとりで全然大丈夫なんじゃないの?」
するとマキトは笑ってこう言いました。
「たぶん、なんだかんだでやってけると思うけど、オレはその時になるまではお前がいなけりゃダメな人間でいるから」
私はマキトのそんないいかげんな感じが好きでした。
生活感がなくて、悲壮感がなくて、ぼんやりと前だけを向いているその感じが好きでした。
マキトはよく言っていました。
「オレら、多分こんな感じでずっと一緒にいるんだろうな」
私も、そう思っていました。それくらい、当たり前のようにずっと一緒にいました。
でも、三年前、マキトはいなくなりました。
あるとき私は思いきってマキトにきいたことがあります。
「実はマキトって、ダメなフリをしてるけど、ひとりで全然大丈夫なんじゃないの?」
するとマキトは笑ってこう言いました。
「たぶん、なんだかんだでやってけると思うけど、オレはその時になるまではお前がいなけりゃダメな人間でいるから」
私はマキトのそんないいかげんな感じが好きでした。
生活感がなくて、悲壮感がなくて、ぼんやりと前だけを向いているその感じが好きでした。
マキトはよく言っていました。
「オレら、多分こんな感じでずっと一緒にいるんだろうな」
私も、そう思っていました。それくらい、当たり前のようにずっと一緒にいました。
でも、三年前、マキトはいなくなりました。