最後の着信メロディ
私の頭の中をマキトの顔がよぎります。

近所にロイホは1件しかありませんし、海といえば、多分毎年二人で行ったあの海岸でしょう。

でも、私はそのメールを無視して、携帯をバッグに押し込みました。

「すいません。いいですよ、連れて行ってください」

にこやかに私が告げると、ソウタロウさんは飛び上がらんばかりに喜んで、自分の席へカバンを取りに行きました。

四日しかないとかマキトは言っていましたが、逆に言えば四日もあります。

毎日会わなければいけないなんてことはありませんし、むしろ、昨日私に何も話さなかった時点で

私は少しマキトのことが吹っ切れたような気すらしていました。

これが俗に言う「あんなヤツもう知るもんか」というやつでしょうか。

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