最後の着信メロディ

消失と公園

ある日突然、私の目の前から姿を消しました。

電話番号が解約され、パソコンのメールが戻ってくるようになり、部屋が引き払われていました。

よく、空気のような存在という言葉を使いますが、マキトは私の空気でした。

いなくなって、はじめて息苦しさを感じる存在、世界が急に窮屈になった気がしました。

さて、話を再び元に戻しましょう。

私は一人暮らしのアパートを右に見ながら、左に曲がります。

左、つまりアパートの向かいにあるのは小さな公園。

いくつかの遊具と、小さな噴水があるだけの、小さな公園です。

私は、心もとない電灯がひとつだけついた、暗い公園に一人で入っていきます。

暗闇にぼんやり見える噴水の脇のベンチに腰掛けます。

この場所は私の定位置でした。

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