最後の着信メロディ
3年前-マキトとユキ-
「よっす」
自動ドアが開くと、いつものように軽く手を上げてマキトが笑っていた。
「あれ、珍しいじゃない、ミヨちゃんは?」
「今日は俺一人」
そう言って、マキトは自分を指差した。
それから周りを見回して、他に客がいないことを確認してから、奥のテーブルを指差します。
「うちの店はアンタの休憩所じゃないんだけどね」
「……話がある」
いつもの笑顔が消え、搾り出すように言ったその言葉を、アタシはいまでも忘れない。