ハリなしハリネズミ
ガムは川に向かって、広い広い草原を歩き出しました。
背の低い草をふみながら歩いていると、ガムは地面のあちらこちらに、穴があいているのを見つけました。
「この穴は、なんだろう?」
ガムが中をのぞくために穴に顔を近づけると、ひょいとサングラスをかけたモグラが出てきました。
「やぁやぁ、こいつはなんともハリネズミの子供みたいなやつがいるじゃないか」
黒いサングラスを外して、目をパチパチとさせながらモグラは言いました。
「みたいなやつじゃないよ。僕はハリネズミだよ」
ガムは初めて見るモグラにドキドキしながらも言い返しました。
「そうかい、そうかい。そいつはなんとも失礼したな。オレはモグラのバリーって言うんだ」
「ぼくはガム」
「へぇへぇ。そいつはなんともいい名前だ。ガムはこれからどこへ行くんだい?」
バリーは太陽をまぶしそうに見ながら、聞きました。
「あっちの川に行こうと思うんだ」
「ほぉほぉ。そいつはなんとも、大変だね。あそこの川にはゲッペンクルートっていう、それは怖いワニがいるから気をつけたほうがいいよ」
バリーはサングラスをかけ直して言いました。
「ワニがいるの?」
おどろくガムをしり目に、バリーは
「いるよ、いるよ。そいつはなんともするどい歯を持っていてね。ーああ、でもハリネズミならハリがあるから平気だな」
と一人納得したようにうなずきました。
「まぁまぁ、なんとも気をつけて」
ガムは逃げ出したい気持ちでいっぱいでした。しかし、バリーがいつまでも手をふって見送るので、川のほうに歩くことしかできませんでした。
そして、バリーが見えなくなったころには川はもう目と鼻の先にありました。
「どうしよう」
ガムが川のほとりで悩んでいると、ザバッと大きな水しぶきが上がりました。
尻もちをつくガムの前に大きなワニが川の中から出てきて
「こんにちは」
と、野太い声で話しかけてきました。
背の低い草をふみながら歩いていると、ガムは地面のあちらこちらに、穴があいているのを見つけました。
「この穴は、なんだろう?」
ガムが中をのぞくために穴に顔を近づけると、ひょいとサングラスをかけたモグラが出てきました。
「やぁやぁ、こいつはなんともハリネズミの子供みたいなやつがいるじゃないか」
黒いサングラスを外して、目をパチパチとさせながらモグラは言いました。
「みたいなやつじゃないよ。僕はハリネズミだよ」
ガムは初めて見るモグラにドキドキしながらも言い返しました。
「そうかい、そうかい。そいつはなんとも失礼したな。オレはモグラのバリーって言うんだ」
「ぼくはガム」
「へぇへぇ。そいつはなんともいい名前だ。ガムはこれからどこへ行くんだい?」
バリーは太陽をまぶしそうに見ながら、聞きました。
「あっちの川に行こうと思うんだ」
「ほぉほぉ。そいつはなんとも、大変だね。あそこの川にはゲッペンクルートっていう、それは怖いワニがいるから気をつけたほうがいいよ」
バリーはサングラスをかけ直して言いました。
「ワニがいるの?」
おどろくガムをしり目に、バリーは
「いるよ、いるよ。そいつはなんともするどい歯を持っていてね。ーああ、でもハリネズミならハリがあるから平気だな」
と一人納得したようにうなずきました。
「まぁまぁ、なんとも気をつけて」
ガムは逃げ出したい気持ちでいっぱいでした。しかし、バリーがいつまでも手をふって見送るので、川のほうに歩くことしかできませんでした。
そして、バリーが見えなくなったころには川はもう目と鼻の先にありました。
「どうしよう」
ガムが川のほとりで悩んでいると、ザバッと大きな水しぶきが上がりました。
尻もちをつくガムの前に大きなワニが川の中から出てきて
「こんにちは」
と、野太い声で話しかけてきました。