ハリなしハリネズミ
ガムの体が冷たい川につかると、やわらかいハリが水面にゆらゆらと浮かびました。
「どお? 少しはかたくなったかな」
水から顔を出すだけで精いっぱいのガムは気持ちよさそうに泳ぐワニに聞きました。
「いや、まだダメみたいだよ。もっとまん中のほうまで来てごらん。こっちのほうが冷たいよ」
ガムは小さい手足をバタつかせ、ワニのいるほうに行きました。でも、あまり水が冷たくなった感じはしません。
「どうかな。かたくなったかな?」
ガムがワニのほうをふり向くと、いつの間にか、たくさんのワニが大きな口を開けて待っていました。
「わぁっ!!」
ガムは急いで岸のほうへ泳ぎ出しました。しかし、ワニたちはあっという間にガムを囲んでしまいました。
「水に入ってハリがかたくなるわけないだろう。頭の悪いハリネズミめ」
ワニはさっきまでと打って変わって、不気味な笑みを浮かべました。
「今日はめずらしいゴチソウだ」
と、ワニが大きな口を開けたとき、上のほうから声がしました。
「おい、ゲッペンクルート。そいつを食べるのはやめときな」
たくさんのワニと、ガムが空を見上げると首の長いサギがムラサキ色のツバサを広げて飛んでいました。
「そんな小さなハリネズミ相手に大勢で囲んで、あんたらハズかしくないのかよ」
くちばしも長いサギが見下ろすようにそう言うと、ゲッペンクルートは
「うるさい。お前も食ってやるぞ」
と、空に向かって大きな口を開けました。
「助けて、サギさん!」
ガムが助けを求めると首の長いサギはクルリと体をひねらせて、山のほうに飛んでいってしまいました。
「ハッハッハ。口だけサギのバルバール。助ける気なんかないくせに!」
ゲッペンクルートは高らかに笑い、さぁ今度こそと、大きな口をもっと大きく開けました。ところが、なんとガムの体が水の上に浮いています。
「これは、一体どういうことだ?」
ガムの下から陸地がドンドンせり上がりゲッペンクルートの大きな口でも、入りきらないくらい山が高くなったとき、ようやく川の中からのっそりと、ギノーフは顔を出しました。
「どお? 少しはかたくなったかな」
水から顔を出すだけで精いっぱいのガムは気持ちよさそうに泳ぐワニに聞きました。
「いや、まだダメみたいだよ。もっとまん中のほうまで来てごらん。こっちのほうが冷たいよ」
ガムは小さい手足をバタつかせ、ワニのいるほうに行きました。でも、あまり水が冷たくなった感じはしません。
「どうかな。かたくなったかな?」
ガムがワニのほうをふり向くと、いつの間にか、たくさんのワニが大きな口を開けて待っていました。
「わぁっ!!」
ガムは急いで岸のほうへ泳ぎ出しました。しかし、ワニたちはあっという間にガムを囲んでしまいました。
「水に入ってハリがかたくなるわけないだろう。頭の悪いハリネズミめ」
ワニはさっきまでと打って変わって、不気味な笑みを浮かべました。
「今日はめずらしいゴチソウだ」
と、ワニが大きな口を開けたとき、上のほうから声がしました。
「おい、ゲッペンクルート。そいつを食べるのはやめときな」
たくさんのワニと、ガムが空を見上げると首の長いサギがムラサキ色のツバサを広げて飛んでいました。
「そんな小さなハリネズミ相手に大勢で囲んで、あんたらハズかしくないのかよ」
くちばしも長いサギが見下ろすようにそう言うと、ゲッペンクルートは
「うるさい。お前も食ってやるぞ」
と、空に向かって大きな口を開けました。
「助けて、サギさん!」
ガムが助けを求めると首の長いサギはクルリと体をひねらせて、山のほうに飛んでいってしまいました。
「ハッハッハ。口だけサギのバルバール。助ける気なんかないくせに!」
ゲッペンクルートは高らかに笑い、さぁ今度こそと、大きな口をもっと大きく開けました。ところが、なんとガムの体が水の上に浮いています。
「これは、一体どういうことだ?」
ガムの下から陸地がドンドンせり上がりゲッペンクルートの大きな口でも、入りきらないくらい山が高くなったとき、ようやく川の中からのっそりと、ギノーフは顔を出しました。