ハリなしハリネズミ
これにはチャックが問いつめます。
「そんなことないよ。空が飛べれば、キレイな景色を見ることだってできるじゃないか」
バルバールは片目をつぶって、チッチッチッとツバサを横にふり
「キレイな景色は空を飛ばなくたって、いくらでも見ることができるだろ」
と、言いました。
それには二人とも言い返すことができませんでした。
山はだいぶ暗くなり、ガムとチャックとバルバールの三人は木の枝と草でキャンプをはって一夜を過ごしました。
朝になると、チャックがどこからか木の実をいっぱい取ってきて、それをみんなで食べました。
山の木の実はおいしくて、ガムは食べ過ぎてしまうほどでした。
苦しいお腹を引きずりながら、ガムは山の頂上を目指しました。
チャックも小さい体でがんばりました。バルバールも足の痛みをこらえながら登
りました。
そして三人はやっとのことで、山の頂上にたどり着きました。
山の頂上には太い太い幹をもった背の高い杉の木が一本立っていました。
「こんな大きな木は見たことないよ」
ガムは感動して言いました。
「僕も頂上まで来たのは初めてだ」
チャックもうれしそうに言いました。
「―オレは何度も見ているけどね」
バルバールがつまらなそうにそう言うとガムとチャックが、にらみ付け
「ま、まぁ、だけど。歩いて見に来ると、また景色が違うなぁ」
バルバールは大げさにツバサを広げて言い直し、三人は大きな声で笑いました。笑い声は山にこだまして頂上からひびきわたりました。
ガムがこんなに大笑いをしたのは、とても久しぶりのことでした。
ひとしきり笑いきったガムがとなりにいるチャックを見ると、チャックは頭から尻尾の先までふるえていました。
不思議に思ったガムとバルバールがチャックの視線を追ってみると、そこにはワニよりもずっと大きなクマが立っていました。
「こいつはうまそうなサギと小リスとハリネズミがいるじゃないか」
クマはどれから食べてやろうかと、なやむように三人を見わたして言いました。
「そんなことないよ。空が飛べれば、キレイな景色を見ることだってできるじゃないか」
バルバールは片目をつぶって、チッチッチッとツバサを横にふり
「キレイな景色は空を飛ばなくたって、いくらでも見ることができるだろ」
と、言いました。
それには二人とも言い返すことができませんでした。
山はだいぶ暗くなり、ガムとチャックとバルバールの三人は木の枝と草でキャンプをはって一夜を過ごしました。
朝になると、チャックがどこからか木の実をいっぱい取ってきて、それをみんなで食べました。
山の木の実はおいしくて、ガムは食べ過ぎてしまうほどでした。
苦しいお腹を引きずりながら、ガムは山の頂上を目指しました。
チャックも小さい体でがんばりました。バルバールも足の痛みをこらえながら登
りました。
そして三人はやっとのことで、山の頂上にたどり着きました。
山の頂上には太い太い幹をもった背の高い杉の木が一本立っていました。
「こんな大きな木は見たことないよ」
ガムは感動して言いました。
「僕も頂上まで来たのは初めてだ」
チャックもうれしそうに言いました。
「―オレは何度も見ているけどね」
バルバールがつまらなそうにそう言うとガムとチャックが、にらみ付け
「ま、まぁ、だけど。歩いて見に来ると、また景色が違うなぁ」
バルバールは大げさにツバサを広げて言い直し、三人は大きな声で笑いました。笑い声は山にこだまして頂上からひびきわたりました。
ガムがこんなに大笑いをしたのは、とても久しぶりのことでした。
ひとしきり笑いきったガムがとなりにいるチャックを見ると、チャックは頭から尻尾の先までふるえていました。
不思議に思ったガムとバルバールがチャックの視線を追ってみると、そこにはワニよりもずっと大きなクマが立っていました。
「こいつはうまそうなサギと小リスとハリネズミがいるじゃないか」
クマはどれから食べてやろうかと、なやむように三人を見わたして言いました。