ジェンガたちの誤算
嬉しい罠
1学期期末テスト最終日をこなした私たちは、
急行が止まる駅まで足を運び、駅のトイレでマスカラをし、グロスを塗った。
茉莉恵はいつもより多く香水を手首につけていた。
久しぶりに会う友哉は身長が更に伸びていて、
シャツのボタンを2,3はずして緩めたネクタイがとても大人びていた。
「彩紗とももちゃん、超ひさしぶりじゃんね」
4つはついているピアスをいじりながら友哉が言った。
茉莉恵が「早くーどこどこ!お腹すいたんだって」
と彼の腕にぶらさがるようにしがみついて言った。
「はいはいお姫様、とりあえずさ、カラオケでいいっしょ?
ツレ2人は先に中にいるからさ!行こう行こう」
そう言って茉莉恵の手を払い、
腰に手を回して私と彩紗の前を歩いて行った。