ジェンガたちの誤算
カラオケの受付で慣れた様子で店員に「合流で!」と言った友哉が、
エレベーターのボタンを押すと振り返って、
「涼がさ、あ、えっと中にいる俺の友達ね、が、
彼女と別れたばっかりだから、ももちゃん癒してやってね」と言った。
すると茉莉恵が私を人差し指でつつくと、
「ご指名なんだよ?」と言った。
「え、どうゆう意味?」
話の展開と状況がイマイチ分からなかった私が尋ねても、
茉莉恵は何も言わずさっさとエレベーターに乗込んでいった。
「もう言ってもいいよね?」
彩紗が言うと茉莉恵が「あ」と言い、それと同時に彩紗が続けた。
「ウチのプリクラを友哉の友達が見て、
会いたいってなったって言うのは設定で──
確かに夕べ茉莉恵から送られてきたメールにはそう書いてあった。
涼くんがももちゃんタイプなんだって、
生徒会長って言う才女ぶりがたまんないんだって」