ジェンガたちの誤算
1学期に学級委員になった生徒は1年間生徒会委員になる、という決まりだけが、
私をそれにさせたのだったけれど、彼女が生徒会長だということを知ってからは、
「生徒会」というものが何よりも高尚な存在に変わっていたのだった。
そしていつかこの人のような高校生になりたいと思っていた。
その対馬先輩に話しかけられて緊張し、まっすぐに彼女を見ることが出来なかった。
「はい、中1C組の、柳 桃子です」
先輩は参考書を机に置くと、胸まであるストレートの髪を両手で耳にかけて言った。
「ぜひ来年の選挙に出てね、私はもう卒業しちゃうけど、頑張ってね」