ジェンガたちの誤算
「ハイ」と返事だけをして言いつけを守らず部屋に入った。
慶ちゃんのことが大好きだけれど、
目もまともに見れない。告白だってできそうにない。
例えば、慶ちゃんと両思いになって、つきあって、デートして。
手を繋ぐの?キスをするの?裸になってそういうこと、するの?
そんなこと、想像もつかなかった。
制服のままベッドに倒れこみ、仰向けになって天井を見上げると、
ネイビーのバーバリーのマフラーが絡まって首が釣られ、
苦しかったので横を向いて彩紗のことを思い出した。
生理すら来ていない彼女が、何を思うのか。
それもまた、想像ができなかった。