ジェンガたちの誤算
1997年
それぞれの朝と期末テスト
食事や排泄、睡眠と同じように学校には【毎日行くもの】としか考えられない私は、
あの日からまともに学校に来ていない茉莉恵の生活がさっぱり理解できなかった。
期末テスト初日の朝、ほっかいろ片手に登校し、
後ろのドアから教室に入ると、珍しく予鈴前に席に着いている茉莉恵を見た。
「おはよう」
通りすがりに茉莉恵に声をかけると、
相変わらず両足を前に放り出して椅子に浅く腰掛けながら、
左手にプリントを持ち、右手に蛍光ペンを持ちながら顔をあげた。
「おっ秀才ももんが」
茉莉恵の機嫌がいいテンションだった。