ジェンガたちの誤算
就職して私が料理教室に通うと言った時、
お母さんは呆れたようにこう言っていた。

「わざわざ外にお金払って習いに行かなくたって、
 お母さんのを手伝えばいいでしょう」


サングラス越しにパーク内を見つめながらそんなことを思い出していた。


人は日常から抜け出さないと当たり前の事に気付けない生き物で、
本来ならもっと近くにある日常を大切にすべきことを怠っている。


日本に帰ったら、久しぶりに実家に電話しようと思った。
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