僕らの空





「ねえ、もう一度お昼寝したら」
「え?」
「夜まで、まだ時間があるじゃない」

ママはニッコリと笑うと僕を撫でた。
ママの目尻は濡れている。
僕は少し驚いて裾を離した。

「……ママ、一緒に寝て?」

ママは漏らすように笑うと
僕の手を包んで真っ直ぐ見る。

「ごめんなさい、用事があるの」

僕はわけがわからないまま部屋に入った。
ママが悲しそうなこと
僕を遠ざけようとすること
悲しかった。





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