da capo



そんな時だったわ。

レイが、彼女の人生を変えてしまう彼に出会ったのは……。



その日もレイは疲れてヘロヘロでアパートに帰ったの。



そしたらね、アパートの階段の前にうずくまる人がいたのよ。

まるで捨て猫みたいに丸くなって座ってた。

長めのストレートな髪が顔にかかって、みすぼらしく見えたわ。

しかもとっても汚かったの。

放っておけばいいのに、レイはお節介でね。

ついつい声かけて家に連れて来ちゃったのよ。

若い女の子が男の人家に招き入れるなんて、不用心にも程があるわよねぇ。
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