da capo
「あんた、前髪短いほうが格好いいよ」

「……そ、かな?」



よく話すレイに対して、彼の返事は本当に淡白だった。

なんで髪を伸ばしてたのか聞いたら、めんどくさいからって答えてたわ。



それから、レイと彼――あ、レイは彼のことヒロくんって呼んでいたの
――レイとヒロくんの同居生活が始まったわ。

あだ名の由来?

昔のことだからね、きっと名前の一部を取ったとか……そんなところよ。


前にも言ったけど、レイはお節介な女の子だった。

だから一文無しに近いヒロくんを追い出せなかったのね。

彼が悪い人じゃないってことはすぐに分かったから。
< 7 / 43 >

この作品をシェア

pagetop