アリと王女

『エルダ!マーゼ姉様がおまちよ』


あっ、ママだわ。
もう行かなきゃー


『それじゃあマロさん、楽しんで来てね。』


『はい!行ってらっしゃいませ』


わたしはマロさんに手を振った。
急いでママたちの所まで行く。


廊下が長いから、大広間まで20メートルはある。ついでに階段も降りなきゃならない。


なんて広いんだろう!


わたしはワンピースの端を持って急いで走った。




『マーゼ伯母様~っ』


久しぶりに走ったせいか、少しの距離なのにわたしはゼーゼーっと息が上がっていた。


『まあエルダ。城内を走るなんてもってのほかです。みっともない』


『いいじゃないの、ダリアさん。わざわざ走って来てくれたんだもの』


ママは少しムスッとしたけど、すぐに元に戻った。


ママって伯母様には弱いのね。


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