アリと王女
『じゃあ、行きましょうか』
わたしたちは馬車に乗った。
パカパカと馬の蹄の音がする。
夕日がどんどん沈んで、辺りは暗くなってゆく。
城の周りはほとんど森だから、ひっそりとしている。
ママに、夜は一人で森に行っちゃダメって言われたっけ。
何でも、誰もいないのに人の話し声が聞こえるとか…
ああ、怖い。
マロさんも大丈夫かしらもう出掛けてるはずだもの。
そんな事を考えていると、いつの間にか別荘に着いていた。