アリと王女
夜風が頬をかすめる
『うう…寒い。夜は冷え込むわね』
ぶるっと鳥肌がたつ。
寒さを和らげるため、わたしは走り出した
タタッー
ほんとにどこで聞いたんだろうー
『ちょっとー!誰…ハァだか…知んない、ハァけど、声出し…なさいよ~』
ハァハァと途切れ途切れに叫ぶ。
こんな所を誰かに見られたら、絶対に怪しまれちゃうじゃないのー
『はぁ。それにしても広い庭ね…』
わたしは休憩のため、少し一呼吸。
辺りは月の光で白く光っていた