アリと王女

まさか…


『はじめまして。わたし、アリの王様の婚約者で“ヒナリ”と申しま…』

『きゃあっ。喋らないでよ。これは夢よ!早くあっち行って!』


わたしは手を思いっ切り振った。


ヒナリというアリは、しぶとくわたしの指に掴まっている。


『まあ!なんと無礼なんでしょう。あなた、本当に女性なの?』


『無礼なのはそっちじゃない!わたしはねぇ、生まれた時かられっきとした女の子なの!』



わたしはアリを睨む。


アリはわたしを睨む。




『では…』



最初に口を開いたのはアリだった。


『あなたは、アリの王様の事をどう想っているのです?』



えっ

なんでそうなるのよ…


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