アリと王女
『どうしてわたしな訳なの?』
……
『あの…ヒナリ?』
『ーえっ?何?』
“ヒナリ”はよく聞こえなかったらしく、目をパチクリさせた。
まっ、いっか。
『詳しい話は聞いてあげてもいいわよ。でもそろそろ…』
ー足がガクガク震える
寒さのせいなんかじゃない。動物と長い時間いるといつもこうなる。
生まれた時からずっとこんな感じ。
…だから動物は嫌いなのだ
…ああ、またダメになっちゃう
あの夢とおんなじだわ…
ぐらりと世界が一転する。
『エルダさん?!』
わたしは気を失ったー